di先生と男が苦手な食堂の女の話①②

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妄想、捏造、想像、なんでも許せる人向けです。

[di先生と男が苦手な食堂の女の話①]

 

「夢さんがよろしければ協定を組みませんか?夢さんが私の練り物を食べて、私が夢さんの豆類を食べます!」

 

🥷学.園の食堂で働きだしてから数ヶ月がたつ夢。

今日は遅く昼食を摂っているとdiから先ほどの言葉を言われた。

夢が苦手な豆類とにらめっこをしていると、同じく遅く昼食を取りに来たdiが食堂に来て練り物とにらめっこをしていた。

「あの、ちくわ、苦手なんですか?」

「はい。練り物はどうも苦手で………そんな夢さんは………豆類ですか?」

「はい。豆類はちょっと……。でも、私の好き嫌いで大切な🥷🥚のみんなの栄養を偏らせるわけにはいきませんから作ることはするのですが・・・。」

 

元々控えめな性格のせいか…何かに意見をすることが苦手な夢。

食.堂.のおばちゃんに対してもほとんど意見を言うことはなかった。だから自分が苦手な豆類がメニューにあっても、何も言わず作る。

自分が食べるのは大変だが………。

そんな時、diから、協定を組もう!と提案され、「この先生とはあまり話したことがないけれど、こんなにユーモラスだったんだ」と嬉しくなった。

「はい。ありがとうございます。苦手なものを食べる協定、嬉しいです。」と笑顔で返した。

その笑顔にdiは「こんなふうに笑うのだな…」と胸が高鳴るのを感じた。

 

夢はこの時代の娘にしては背が高かった。食堂のおばちゃんは小柄なので、高いところのものを取ったりするのには重宝された。

しかし170cm程あると世の殿方の背よりも高いことが多く、嫁の貰い手もなかなか見つからなかった…。

さらに、実家にきた来客から、「この様に背が高いと男を知らないだろう…教えてやろう…」と手を出されそうになり、夢自身も男性に恐怖心を持ってしまった。

このまま一人でいるのなら、実家を出て一人で生きていこう。

 

そう思い、色々と、カクカクシカジカを経て、この学.園.の食堂にたどり着いた。

 

ほとんど表情を変えず、淡々と働く夢に当初のdiは「おばちゃんが厳しいのだろうか?楽しくないのだろうか…?」と心配していたが、今日の笑顔を見て少しホッとしたのだった。

 

「夢さんは笑ったほうが良いですね。」

「えぇ??そ、そうですか?あ、あの、ありがとうございます。」照れてしまう夢に

「あーいやいや!変な意味はなく、ただその、可愛らしいというか…あーええと……そうだ!子供たちも笑顔の方がいいですよ!と言っても私も教師になったばかりの頃はなかなか難しくて……。少しずつ笑顔を出していくと慣れてきますよ。」

「ふふふ。di先生、ありがとうございます。やってみますね。」

「夢さんなら、できますよ!」

「やってみます。・・・あの、ちなみに、明日ははんぺんが出る予定なんです。」

「そうですか…!ならば、また同じ時間に来ますので、協定としてよろしくお願いします。」

 

苦手な食べ物がある者同士、食堂で少しずつ少しずつ距離を縮めていく…。

食.堂.のおばちゃんは最初からずっと見ていた。

背の高い夢が淡々と仕事をこなしていくのを気にかけているdiと、全く気がつかない夢。

夢が男と距離を取っていることを知るのは食.堂.のおばちゃんの他に学.園.長先生とsn先生、さらにフラッシュバックで倒れたことがあり、医務室のnino先生にも伝えてある。

 

だからこそ、夢をせっつくわけにはいかない。

でも、diをせっついたところで夢は拒否をするのではないか……?

 

どうしたものかね〜〜

 

そう思っていたが、先に動いたのは意外にもdiだった。

協定とか……ウケる…

 

よほど、気になっていたんだね〜♡

そのまま観察を続けることにした。

 

今のところ、食堂内でしか会っていないが、少しずつ距離が縮まっていて微笑ましい…。

 

「夢ちゃんがどう出るかはわからないけれど……歳の差も考えると丁度いいのよね〜〜」と一人盛り上がる食.堂.のおばちゃん

せっかくだら、外にもでかけてほしいと考え、食材のお買い物の為に町へ行ってほしいと提案する。

もちろん用心棒としてdiと一緒に行ってもらう。

いつもなら町へ行くとき、夢は男装をして出かける。背も高いし、男に絡まれないからだ。

でも、この日は食.堂.のおばちゃんから「di先生がついてきてくれるんだし、ちょっとお洒落をして女の子として行ってきなさいよ〜。」と提案された。

「それではまるで………いやいや!di先生が困りますよ。それに、私は……」

「……私がどうしたのですか?」

「di先生!!???」

急に現れたdiに驚く夢。

「食材のお買い物を夢ちゃんに頼んだんだけど、量が多くてね。悪いけどdi先生、一緒に行って手伝ってくれないかい?それに最近物騒だから何かあったら助けてあげてほしいんだけど、いいかしら?」

「もちろんですよ!一緒に行きましょう!」

「夢ちゃんったら、いつも男装して行くのよ。そこでね、di先生もいるんだし、今回はお洒落をして女の子として行ってきたら?って言ったのよ、そしたら、先生が困るって…」

「え?私は困りませんけど?せっかくなので楽しみましょうよ、夢さん。お買い物が終わったら美味しい甘味処とか寄ってから帰りませんか?」

食.堂.のおばちゃんからの提案にノリノリのdi。

しかし夢はやや表情を暗くし

「………わ、私はその……。男の人と並んで歩きたくはないのです。」

 

フリーズする食.堂.のおばちゃんとdi。

 

(距離が縮まってきた!と思っていたのは、どうやら私だけだったようだな…)diは心の中でそう思った。

 

お互いの苦手なものを食べる協定を組んで、それから夢の笑顔も増えて、ざっくばらんに話ができて……今すぐじゃなくても、いつか…いつか好きだと伝えようと思っていたのに………

 

(んー。やっぱりだめだったか〜〜。夢ちゃん男の人怖いもんね〜。しょうがないか…。私もちょっとやりすぎちゃったわね…。)食.堂.のおばちゃんは、なんとも言えない表情をしているdiを見ながら、申し訳ない気持ちになった。

 

だいぶ冷え切った空気を察して夢はハッと顔を上げ

「あ、あのでも本当にたくさんあって私一人では大変なのです!!お買い物を手伝って頂きたいので、よ、よろしくお願いします。」

「わかりました。お供しますよ。」

心の声がバレないように、diは淡々とこたえた。

 

 

続きます。

 

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