di先生と男が苦手な食堂の女の話③④

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妄想、捏造、想像、なんでも許せる人向けです。

㊟若干の性被害表現、フラッシュバック表現有

[di先生と男が苦手な食堂の女の話③]

 

いざ、食.堂.のおばちゃんから頼まれたお買い物をしに出発する、夢とdi。

女の子として〜と言われたものの、華やかな着物は夢の身長ではなかなか見つからないので地味めの着物に身を包む。

夢の少し前を歩くのはdiだが、いつもの黒い忍び装束ではなく、私服姿。

いつもとは違うdiにちょっとドキドキするが、(ああ、di先生も男の人なんだよな……)とそう考えると心が冷えていくのを感じていた。

 

 

しかし、会話が続かない。食堂にいるときはスラスラ話せるのに。

そういえば、さっきからdiが言葉を発しない。

(嫌だったかな……こんな美人でもない大女と買い物なんて……。)

夢がそう思っている間に…

(あー何を話したらよいのかわからない…男と並びたくないと言っていたが……食堂ではあんなに楽しそうにしていたのに……?笑ってくれていたよなぁ?結構話も弾んでいたはずなんだが・・・勘違いか?自意識過剰なのか?・・・いや、これは何かあるのかもしれない…。でも、夢さんを探るようなことはしたくないし。その気になれば夢さんから聞き出すこともできるのだが……一般の方に忍術は………あーーー聞きたい!!いやしかし!聞くにしてもどうやって切り出せば・・・いや!話してくれるのを待つほうが・・・・)

大混乱のdiである。

 

・・・・・・・

そうこうしているうちに、町に到着。

量が多くても何度か買い物には来ているので、いつも行っている場所へスイスイと進む夢。

今日はいつもより人が多いようだ。

「これは、ここが安くて〜こちらはあっちが良くて〜〜」

「ふんふんなるほど。手際がいいですね~~。あ、夢さん。人が増えてきているので、はぐれないように気をつけてください。よろしければ、私の着物の袖口をつまんでくださいね。」

頭の中が大混乱になりながらもdiは思った。

夢には何か隠していることがある。でも夢が話さないのなら、話してくれるまで待とうと。そういう風に思考は落ち着いた。

距離を置かれるならそれでいい。協定仲間のままでいい。

いつもの食堂で笑顔を見せてくれるだけでいい。

自分の気持ちは後でいい…。

夢のことを大事にしたいと思った。

 

 

町に二人で出て、結構な人混み……

こんな時、男女なら肩を抱いたり、手をつないだり、腕を組むのが普通だろう。

でも、夢は男と並ぶことすら望まないのなら、と考えついたのが袖口をつまむ、だった。

夢もそれならば大丈夫なようで、「す、すみません。では。」

とdiの袖口を片手で少しつまむ。

夢が摘むのでdiの袖が少し引かれる。その感覚さえ、愛おしく感じてしまう。

 

・・・・

量が多かったお買い物も終わり、荷物を二人で分けて持ちながら、もうすぐ学.園につく、という辺りに甘味処があった。

「ここで一休みして行きましょうか?」

「はい。di先生の方に重たいものがたくさんあって、すみません。」

「いいえいいえ!大丈夫ですよ!夢さんもたくさん持っていますし。ついてきて良かったです。」

「本当に、助かりました!」

では、お団子を頼んできますから待っててください、とdiはオーダーに行ってくれた。

天気が良いので、外の席に座り、待つことにした。

 

すると、一人の男が夢に近づく。

「お嬢さん、ここに行きたいんだけど、行き方わかるかい?」

「ええっと…私もあまりこの辺りは詳しくなくて…」

「そうか…でも、その荷物さ、町で買い物したんだろ?じゃ、町まででもいいから案内してくれよ!」

男はガッと夢の腕を強く掴む・・・

その瞬間、夢の心臓はドキンッッと大きな音をたてる、体が強張って動けない、声が出ない。

 

助けて……………誰か・・・・・

 

 

血の気が引いていく……

息が上手くできない……

 

 

昔、手篭めにされそうになった時の、男たちの大きくてゴツイ手の感覚が蘇る………

 

 

嫌…イヤ………離して……助けて……………

 

 

 

う…………く…………息ができない……苦しい………

胸を抑え、前のめりになる。

 

 

「夢さん!!!!!」

戻ってきたdiが驚いて叫ぶ。

 

腕を掴んでいた男は夢が地面に倒れ込んでしまい、驚いて立ち去ってしまった。

 

「夢さん??夢さん!落ち着いて!大丈夫ですから!」

過呼吸の夢を起こして肩を支えながら声をかけ、背中を擦り落ち着かせようとするも、ガタガタと体中を震わせて苦しそうにしている夢に声が届いていない。

顔が真っ青で、冷や汗をびっしょりかいている。

 

そうこうしているうちに、夢は意識を失ってしまった。

 

 

荷物が多い。学園まではそう遠くはないのだが……

 

「あれ??di先生じゃないですか!?どうしましたか?急病人ですか?」

 

たまたま通りかかったのは、フリーの忍.者であり、ymd先生の息子のrktだった。

「rktくん!!よかった!突然で悪いのだが、学園まで一緒に荷物を運んでくれないか?私はこの方を運ぶから!」

 

学園につくと、どこからともなく気配を察したsnが夢をdiから受け取る。

 

すぐに医務室へ向かう、が、ここでsnから「私だけで行きます。訳は……後でお話します。」

そう言われ、ついていこうとしたdiとrktはあ然とするが、食堂へも荷物を届けなければならないので、そのままsnの言葉に従うことにした。

 

 

「あの女性は誰ですか?」

「数ヶ月前からここの食堂で働いている方だよ、rktくんは会うのは初めてだったね。」

食堂までの道すがら、夢のことをrktに説明する。

「今日は、食.堂.のおばちゃんに頼まれて夢さんと町へ買い物に出ていたんだ。そしたら、あんなことに。あの甘味処にいた男…知り合いなんだろうか……?」

「少し遠くから見ていましたが、そうではなさそうでしたけど……。夢さんに聞いてみないとわかりませんね…。しかし、心配ですね。」

「ああ。とても震えていて…顔色も悪かった。大丈夫だろうか……。」

 

 

食堂へ二人で荷物を届け、おばちゃんに夢のことを報告する。

食.堂.のおばちゃんは血相を変えて

「わかったわ。二人共、届けてくれてありがとうね。rktくんまで、悪かったわね。ちょっと私も夢ちゃんのところへ様子を見に行ってくるから!すぐ戻るから大丈夫よ。di先生ももう戻ってくださいね!」

「あ、あの、夢さんはsn先生が…。私達にはついてこないようにと言っていました。」

「……。う〜ん。あの、男の人は、ついてこないように、ってことだと思うのよね〜。…。詳しくは夢ちゃん本人が話してくれると思うんだけど…。実は倒れたのは今回だけじゃないのよ。」

「ええ?そうなのですか??!…わかりました。では、文を書いてもいいでしょうか?それを夢さんに渡してほしいのですが。」

「わかったわ」

 

その後、rktは帰っていき、diは自室へ行って夢に文を書いて、食.堂.のおばちゃんに渡した。

 

 

続きます。

 

 

 

 

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