kuskさんと新人事務員の女の話⑦⑧

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妄想、捏造、時代考証なし。

※なんでも許せる人向けです

 

[kuskさんと新人事務員の女の話⑦]

 

 

「jnzごめんね。ちょっと本当にこの前言ってたの城が不穏になってきちゃって……。」

「いえ。それよりkmgsr、どのように潜入、調査致しましょう。」

 

zatは申し訳無さそうだったが、すぐにいつものkmgsrオーラで話し出す。

 

「ostの話だと、あの城、最近急に攻撃的になって近隣の城に攻めては領地をとっている。我々🌆忍.軍.で潜入して周囲の城を攻撃しないように仕向けるのと、町の方に出ているやつらにも悪さをしないように見張る必要がある…。」

 

殿からは必要とあれば○してもいい、ということになっているようだ。

 

 

既に忍軍のうち数名がその城へ向かっているとのこと。

「jnzは他の者と一緒に町の方を。いつもの私服でもいいし、女装でも。数日は必要だと思うから、日によって分けるのもありだけど、任せるから。よろしくね。」

 

 

 

……………

確かに町には妙な奴らが確実に増えていたが、やり方が雑というか…世間を荒らすことに慣れていない雰囲気……

なんだ??この感じは…

 

数日すると、黒🦅のお陰で全容が見えてきた。

主犯となる城の城主が最近側室を娶ったらしい。

問題はその側室で、何らかの理由で貧しい生活を強いられている家の娘を選んでいる。

一番多いのは事業、商売などの失敗で負債を抱えているパターンだ。

その負債を肩代わりするから、娘をよこせと言っている。

人質だ……。

さらに戦や、それに近い状態の時には人質にした娘の兄弟や父親が城のために戦うことを強いている。

 

とんでも城主………。

 

 

 

ただの一般人が戦や荒らしに慣れているわけも無い……

 

 

負債を肩代わりしているのかも実際はわからない…。

 

 

さらに、城へ潜入していたymmtからは、側室の女達はみな、充分に食事をとれていないとのことだ。

毎日、暴言、罵声、暴力………弱い女達の知力、体力を奪い、恐怖を植え付け、従わせる……

 

お前が逃げたら家族の負債はどうするのだ??

とでも言われたら逃げられないのだろう……。

 

女達は、みな傷だらけだったよ。

 

そう悲しそうにymmtは話した。

 

その女達はどうしたら救えるのだろうか……

その家族たちも……

 

 

 

情報収集をし、町のいざこざをおさめる………

あまりにも酷い悪事を起こす場合には命令どおりに命を奪う……。

 

 

返り血を浴びながら………相手に蹴りを入れながら………手裏剣や苦無を投げながら………

 

 

数日任務に明け暮れていると、心が急速に冷え、思考が忍に戻っていく……

あぁ……

私は夢殿にはふさわしくない……

自分の手は命を奪う手だ

誰かを救ったり、愛したり……

夢殿のあの笑顔を独り占めできるような、そんな存在ではない……

あの学園の太陽のように笑う夢殿の隣にはもっとふさわしい人がいる・・・

自分のような冷徹な忍者ではなく……

 

 

 

夢殿もいつかはどこかへ嫁ぐのだろう……。

 

こんな城へは行かず、幸せに暮らしてほしい……

もし、夢に縁談があったとしても忍者である自分にはそれを阻止することも、略奪することもできない……

 

 

 

「私が忠誠を誓ったのはkmgsrのみ…。」

kuskはそっと心の中で言った…。

 

 

 

 

雨が降りそうな日だった。

 

kuskはzatに言われた通り、町に私服で潜入中である……

しばらく周囲を確認しながら通りを歩いていると、目の前に見覚えのある女が3人の男に囲まれ、物陰へ引きずり込まれている。

数日ぶりに見る夢だった。

 

夢殿!!!

心の中で叫びながらkuskは静かに距離を縮める。物陰に身を潜め、忍び装束へ着替える。

 

夢は必死に抵抗しているが口を塞がれ声は出ていない。

 

音もなく近づきkuskは素早く状況を確認すると、メンバーは最近目をつけている城の忍.者だ。

男二人で夢を押さえ、一人は正面から小刀で夢の着物を切りつけている…。

 

問答無用で正面から突っ込み、「夢殿!!!目をつぶれえっ!!!」走りながら夢に叫ぶ。

 

胸元に仕込んでいた苦無数本を一気に投げる。

3人それぞれ、肩や腕、手に突き刺さる。

ばっと夢から手が離れる…

夢の正面で着物を切り刻んでいた男がkuskを睨みつけ、自分の小刀とkuskが投げた苦無を引き抜いて二刀流で向かってくる

kuskはスピードを緩めず突っ込む。相手が顔に向けてきた苦無をするりと避け、素早く背後へ回ると同時に自分の腰の刀を抜き、一瞬で背中をざっくり切りつける。急所一撃、即4…一瞬だった。

 

バタリと倒れた男をみて、怯んだ他の2人は、逃げていった。

 

城には我々の忍.軍.が潜入している。一人片付けたとて、害はないだろう…

 

 

 

kuskは驚かさないよう、ゆっくりと夢に近づく。

夢は切りつけられた着物を手繰り寄せて、胸元をつかんでしゃがみこんでいた。

その肩は小さく震え、すすり泣いていた。

夢と視線を合わせるようにkuskはしゃがみこんだが、夢はうつむいたままで視線は合わなかった。

「夢殿。もう大丈夫だ。目を開けてもいい。もう学.園.へ戻ろう。私が送る。」

「kusk様。…ありがとうございます。……」

「立てるか?」

「はい。・・・でも少し待ってください。足に力が入らなくて。」

「私が運ぼう。ここで長居はしない方がいい。」

夢はkuskに横に抱えられてその場を離れる。kuskの温もりで恐怖心が少しずつ溶かされていく。kuskの体にもたれ、腕の中でしばらく泣いた。

 

 

雨が降ってきた。

朝から天気は悪かった。

 

道端にまだ屋根が残っている廃屋が見えてきたため、かつて縁側だっただろう場所へ夢を座らせ、kuskは隣へ座る。

kuskは自分の忍び装束の頭巾を解き、切れた着物の上から夢の肩を包んだ。そのまま肩を抱くと夢もkuskの肩にもたれてきた。

「夢殿、怖い思いをしたな。怪我はないか?」

「……はい。」

いつものような元気な声ではなかった。

「着物はもっと良いものを買おう。私に選ばせてくれないか?」

「なぜ、そんなにも優しいのですか…?」

「…………夢殿も私に優しいからだ。」

 

雨音が屋根に当たる音がやけに大きく響く………。

雨音とすすり泣く声だけがしている……。

 

 

本当は、好きだと伝えたかった。

自分にだけ笑いかけてほしかった。

 

今までkuskに顔がいい、というだけで言い寄ってくる女はたくさんいた。

それに比べて夢はいつも楽しそうに、嬉しそうに笑って素直で正直に気持ちを伝えてくれた。

kuskはその笑顔を守りたいと思った。

 

 

私は命令とあれば命を奪う、忍.者。

こんなにも優しく、あたたかい心の夢とは住む世界が違う………

でも、今は…

今だけは……怖い思いをした夢を慰め、癒やしても良いだろうか…?

忍者の私が一緒にいても良いだろうか…?

 

 

「雨が止むまでここで休んでいこう。夢殿も疲れただろう。肩なら貸す。心が落ち着いてから学.園へ戻ろう。」

 

 

 

雨はやみ、すっかり暗くなった帰り道。

「もう自分で歩けますから」と言った夢に「私がこうしたいのだ」とkuskは無理矢理夢を横抱きにして、暗くなった道を歩く。ふいに、ほーほほーっとフクロウが鳴いた。

「今日はまた美味しいパンが食堂にあるみたいだぞ夢殿」

「なんでわかるのですか?」

「さあな。そのパンを食べて元気をだしてくれ。」

 

 

学園につき、門の前で夢を降ろす。

「頭巾は夢が持っていて良い。また来る。ゆっくり休め。」

「ありがとうございます。あの。今日は助けてくださってありがとうございました。………あの。kusk様、こんなタイミングなのですが、私、今度嫁ぐことになったんです。」

「な……ん……!そ、そうなのか??!」

「今日襲ってきた人たちの城の城主にです。嫁ぐことに決まってから今日のようなことが……度々あって…。新しい妻をからかっているのでしょうね……」

ではまた、と夢は門をくぐった…

 

何も言えなかった…。

既に決められたことを阻止する方法など自分にはない………

あの城主は………妻ではなく、側室を娶っている………

しかも、恐怖で縛り付けて…………

夢は知っているのだろうか………

 

 

ふと…夢の実家事情が気にかかった。

 

 

続きます。

 

 

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