di先生と幼馴染みの看板娘①

#RKRN

#RKRNプラス di

※di先生幼少期大捏造

※解釈違い

※なんでも許せる人むけ

 

 

[di先生と幼馴染みの看板娘①]

 

 

△△という土地に、美味しい甘味処があった。庶民よりは割と高貴な身分の人達の御用達のお店だった。

そこの甘味を購入していた幼い頃のdi。甘味処の娘とdiは歳も近く会えばよく遊んでいた。(いつからか両片思いに)

二人はある約束をした。その後、diの家が夜襲にあって何年も会えなくなった。

 

 

再会して二度目の恋に落ちる二人のお話。

 

 

・・・・・・・・・・

「痛いッ!う、えーーーーん」

「大丈夫?すぐ、家に帰ろう!」

夢はいつもみたいに友達と遊んでいて転んでしまった。突き出ていた木の枝に左頬が当たって怪我をした。

夢の母は懸命に治療したのだが、跡は残ってしまった。

 

傷が癒えた頃にまた友達に会う。

「そこ、治ったみたいで良かった!」

「うん…」

「どうしたの?元気がないね」

「この傷跡のせいで〇〇様に嫌われてしまいそうで。悲しいんです。」

「なんで?嫌わないよ?また一緒に遊ぼうよ!」

「ありがとうございます。でも大きくなってお嫁に行けなかったらどうしよう、って母上が言っていたの。悲しいです。」

「………その時は……!」

二人はある約束をし、その後は、しばらく会えなくなってしまった。

 

 

 

 

………

 

「今日も助かったわーありがとうkrmrくん!」

「ど~いたしまして〜」

「こら!このアルバイト、ほとんど終わらせたの私じゃないか!!」

「だって〜洗濯のバイトが忙しくってできなかったんだもーん」

「相変わらず仲良しね〜はいこれ。キレイに造花作ってくれるからバイト代ちょっと上乗せしてあげるわね!」

「ありがとうございまーーす!!!」

krmrは造花を大量に作るアルバイトの納品が終わるとその近くにある甘味処に寄りたがった。

ひとやすみしましょーよーとkrmrに言われ、diはしかたなく立ち寄ることにした。

ここは学園からも自宅からも道が外れるため、diは初めて立ち寄る店だった。

krmrは先程の造花のアルバイトの関係で何度か訪れているようだった。

「先生、ここ、そこら辺の甘味処とはちょっと味が違うんすよ。なんていうか…上品な感じ?」

「普段うっすい雑炊ばかり食べているお前が味なんかわかるのか?あとバッタの…」

「うるさいなー!それに、看板娘が美人で有名なんすよ!明るいし笑顔だし気が利くし!それ目当てに来てる人もいるんじゃないかなー?さっそく行きましょー!………夢さーーんこんにちは〜。」

バシンッッ!!ガシャーーーーーン!!!!

 

krmrとdiが暖簾をくぐると目の前にさっきまで話題に出ていた看板娘らしき娘が勢いよく床に倒れ込んできた。客の男に頬を叩かれたようで、赤くなった左頬を手で押さえている。

「夢さん!!だ、大丈夫すか??」

「あら、krちゃん…。いらっしゃい…ご、ごめんね…急に」

「夢さん?どうしたの?」

「ええっと…」

「そろそろ良いだろ?いつも来ているんだし俺と恋仲に……」

客の男が話しながら近づいてきたが、危険を察知したdiは素早く夢と男の間に割って入った。

客の男よりも頭一つ分は大きいdiの背中を(ずいぶん大きい人………)と叩かれた頬をさすりながら見上げた。

「な、なんだお前は!」

「この人の恋仲は私ですが??」

「チッこんなデカイ男がいたのかよ…」

吐き捨てるようにつぶやいて、客は出ていった。

ちょうど店主や女将の留守を狙ったのだろう。

客はあの男だけだった。店内は夢とkrmr、diの三人になった。

 

krmrに支えてもらって体を起こしながら「お見苦しいところをお見せしてしまってすみません。助けていただき、ありがとうございます。」と夢はdiにお礼を言った。

diは夢に視線を合わせるようにしゃがみ込んだ。

「いいえ。大丈夫ですか?頬が赤くなってしまいましたね……冷やさないと!krmr手ぬぐいを冷やしてきてくれ。……!おや………この傷跡は………」

さっきの客に叩かれて化粧が落ちてしまったのだろう。左頬にある傷跡が見えてしまった。

「え?ああ…これは子供の頃に転んでできたもので…。」

「………そう…ですか………あの!」

diが何か聞こうとしたところへ「はい、夢さん」とkrmrから冷やした手ぬぐいを手渡される。冷たくてありがたい。

「ありがとうkrちゃん。会えるのをずっと待っていましたよ!久しぶりですね!今日は、えっと……お兄様と一緒に?」

「こちらは、俺の担任の先生!」

「私はkrmrのような、一年生の担任をしています、dihnskといいます。いつもお世話になっているようで、すみません。krmrお前、随分親しいんだな〜そんなにここへ来ていたのか?」

「そうです!実は、何回か看板娘のアルバイトを頼まれたことがあって!ね!夢さん!」

「はい!!あのdi様、はじめまして。ここの看板娘をしております、夢と申します。krちゃんは時々アルバイトとして一緒に看板娘をやってくれるんです!助かっているんですよ!krちゃんかわいいから〜来てくれた日はお店は大繁盛です。」

「夢さんが美人だからいつも大繁盛ですってば。」

 

事態が落ち着いた頃、krmrとdiはオススメ!と書かれた新作のお団子とお茶をオーダーする。

夢はkrmrが久しぶりに来てくれたことが嬉しくて正面に座って話し込んでしまった。krmrの隣にに座っているdiの視線を若干強めに感じる。しかし嫌なものではなく、krmrの保護者として見ているのだろうと思った。

他の客もいないから、この二人となんでもない話をしてさっきのまでのことを忘れようと思った。

ちらっとdiの方に視線を向けると、diはのんきにお茶をすすっていた。

あの、嫌な客から恋仲になってくれ、と言い寄られて、拒否したら叩かれて……そんな状況に怯まずに助けてくれたdiのことが気になった…。

「恋仲は私ですが?」さっき言われた言葉を思い出して嬉しいような恥ずかしいような、急に顔が火照ってしまう。

di様はあの嫌な客を追い払うためのお芝居をしてくれただけなのに。自分に向けられた言葉ではないのに。

 

 

krmrとdiが帰り、しばらくすると、店主と女将が帰ってきた。

今日も店を閉める時間になる。

テーブルや椅子を拭いたり片付けたりしながら先程自分が倒れ込んだ場所を見る。

何をされるかわからないのに、自分の前に来てくれた。嫌な客の盾になって守ってくれた……。男の人からは声をかけられたり、嫌な思いをすることの方が多かった。あんな風に守ってもらったのは初めてのことで、夢はドキドキと高鳴る胸に温かいものを感じた。

こんな気持ちになるのは、幼い頃にした初恋以来だった。

左頬の痛みはもう気にならなくなっていた。

 

 

 

数日がたち、夢の甘味処へdiが一人でやってきた。

 

「いらっしゃいませ〜!」

夢はdiが一人で来ているのを見てドキッと心が跳ね、顔が火照るのをなんとか誤魔化しながら、出迎える。

あの日、嫌な客を追い払ってもらってから完全に意識してしまう…。

 

「あら!di様!また来てくださったんですね!先日はありがとうございました。」

「いいえいいえ!頬も治ったみたいですね。良かった痕が残らなくて……。」

diは急に懐かしむような、愛おしそうな表情をしていた。

「叩かれただけではそんな、痕なんて残りませんよ~~」そう言いながら夢はドキドキしてしまい、恥ずかしくなってうつむいて話題を戻す。

「えーっと……きょ、今日はお一人で?」

「ええ。この近くの市に立ち寄ったもので。あの、これ、よかったら…」

diはかんざしを差し出す。そのかんざしにはお団子の飾りがついていた。

「まあ!面白い飾り!!これ、お団子ですね!」

「ここの看板娘のあなたにピッタリだな〜と思って。あ、いや、それは、き、krmrが渡してこいって言いまして…。」

diの方も夢の嬉しそうな顔を見て照れに照れてしまい、とっさにkrmrの名前を出してしまった。状況はややこしくなった。

「え?krちゃんが?嬉しい!今度お礼に行きますね!」

「いえ!気にせず!それと、今日はこれから授業でして、もう帰らなくてはなりません!また今度お団子を食べに来ますね!」

では!と帰ってしまった。

これを渡すだけにわざわざここへ来たのだろうか……。夢は申し訳なさを感じながらも、突然のプレゼントが嬉しくて、すぐに裏へいって鏡を見ながら髪にさした。その後の仕事はスムーズに終えられた。

 

 

その後、何度もdiは一人でお店にやってきた。

いつもちょっとした・・・ハンカチや、お菓子、花などの贈り物を持って。

夢としては会えることは嬉しいが

こんなにここへ来るなんて・・・よっぽど甘いものが好きなのだろうか……?夢は頻繁に来るdiへそんなことを考えながら、仕事をしていた。

 

 

ある日、店内が少し落ち着いた頃、一人でお茶を飲んでいたdiに声をかけられた。

「あの…夢さん、ご出身はどちらですか?」

「はい!私は△△です。そこでは両親が甘味処をやっておりました。」

「△△ですか!それで、ご両親は?」

「戦でなくなりました。ここの女将さん達は遠い親戚で、私のことを引き取って看板娘にしてくれたんです!」

あら、お客さんが…では!と夢はdiから離れた。「いらっしゃいませ〜」と言いながらも夢はもう少しdiとゆっくり話がしたかった。

diは夢の左頬の傷に見覚えがあった。そして少しずつ、自分の幼いころに抱いていた恋心と共に遠い記憶を思い出していた…。

 

続きます。

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