#RKRNプラス di
※di先生幼少期大捏造
※解釈違い
※なんでも許せる人むけ
[di先生と幼馴染みの看板娘⑥]
校医のninoが夢を診察した後、
「高熱が続いていたし、何日も眠っていたから、水分は取ったほうがいいですね。」と言い、水を持ってきてくれた。
「はい。こちらはdi先生の分の水です。もう夜なのでお話も程々にして寝てくださいね。私はこれで。」
そう言って全てを察したninoは医務室を出ていった。
加えて、まだ調子が万全ではない夢に医務室で休むことを許してくれた。
学.園.長.も、助かったことがどこで悪党にバレ、いつ襲われるかわからない、ということでdiを護衛につくようにしてくれた。
ninoが出た後、二人きりになる。自然と目があい、どちらからともなく体を寄せ、diと夢は静かに抱き合った。
それは会えなかった長い月日を埋めるかのようだった。
「夢さん、大きくなりましたね。」
「それは、〇〇様も。すごくすごく大きくなられましたね。お会いできて嬉しいです。」
しばしの沈黙の後口を開いたのは、diだった。
「夢さん。私は訳あって今はdihnskと言う名前なのです。この学.園.で教師をしていく上でymd先生が付けてくださいました。〇〇という名はもう……」
状況や身分が変わったりした際に名前を変えることがあるのは、なんとなく夢は知っていた。
「………そうなのですね。では、私は今まで通りにdi様とお呼び致します。」
「………そこなのですが。」
「どこなのですか?」
「えと、キョロキョロしなくていいですよ……笑。そうではなく………その。……夢さんが探している私はもういません。あの頃のような高貴な身分でもなく。今の私は忍.者.であり、ここの教師なのです。昔とは随分違うでしょう?それでもまだ私を慕ってくれるのですか?」
diの中でずっと気がかりだったこと、伝えるかどうするか一番迷っていたことを聞いてみた。
そんなdiの考えとは裏腹に夢は「はい。もちろんです。昔も今もお慕いしております。」そう迷いなく答えた。
「……それは、なぜですか?」
「昔は昔、今は今なのです。もちろん昔のdi様も好きです。でも、私は昔のあなたを見つけたから好いているのではなくて、私のことを助けてくれた、di様のことが……好きなのです。」
「………ありがとう夢さん。昔も今もだなんて、そんな風に思ってくれていたなんて。
実は、私も昔からあなたのことを好いていました。子供のころ、美味しい甘味処に行けば、小さくて可愛らしい夢さんに会えるので、いつも誰かについて出かけていました。」
急にdiが照れて夢の肩越しに顔を埋めてくるので、少し驚いたあと一緒に照れてしまった。
「di様が、krちゃんと一緒に初めて私の働く甘味処に来てくれて、あの嫌な客を撃退してくれましたよね。それがすごく嬉しくて…。」
「え?わ、私もあの時、すごく美しい人だな、と思って……でも、すぐにその左頬の傷跡を見て、そこから夢さんのことをなんとなく思い出して……あ~いや!忘れていたわけではないんですけど・・・」
「ええ?あの時思い出していたんですか?!………ふふ。私達二度目の恋なのですね!嬉しいです。di様。」
「夢さん。今度こそ、ちゃんと言います。私と恋仲になってくれませんか?」
「もちろんです。改めてよろしくお願いしますdi様。」
「ゆくゆくは、私と夫婦(めおと)になってくれますか?」
「はい。嬉しいです。」
少しの間をおいて、今度は低い神妙な声でdiは話し出す。
「夢さん。私の昔の話をもう少し聞いてくれますか?」
「はい。聞かせてください。」
「私は…ここで教師になる前は…忍.者.として、様々な忍務をこなしていました。その内容は・・・・・きっと夢さんが想像しているようなものではなく……人には言えないような、酷い忍.務.を遂行していました。私の手は…たくさんの人を悲しませ、大切なものを奪ってきた手です。夢さんのように綺麗ではないのです。それでも……?」
「……di様…そのようなこと!それは忍.者.としてのお仕事なのでしょう?di様の意志ではないはずです!!!……………それならば私も言わなくてはならないことが……謝らなくてはならないことが、あります。」
そう言うとdiの腕の中から抜け出して、三指を立て頭を下げた。
「ゆ、夢さん???急にどうしたのですか?頭を上げて……」困惑するdiを遮って夢は話し出した。
「私はここまでくる途中、di様はもうこの世にはいないのだと諦めていました。だから、せめてあの世で会いたいと願うようになりました。そうしたら、自分のことがどうでも良くなってしまって、私はしつこく言い寄ってくる客の男と好きでもないのに恋仲になったことがあります。」
夢は過去の自分がしたことを後悔して、涙が溢れる。
「夢さん…もう、頭をあげて…あなたが悲しむのなら、無理に話さなくてもいいんです。」
「私は、何度も……何人も…あるんです。寄ってくる男がしつこくて…恋仲になればおとなしくなるかな、と…ごめんなさい…本当に…私こそ…穢れているのです……。」
夢は涙をポロポロこぼしながら、ゆっくり顔を上げてdiを見つめる。
「di様が生きているとわかっていたなら、私は……私は……あなたに全て捧げたかった……」
自分の過去の過ちを悔いて大粒の涙を流す夢をdiはそっと抱きしめ、その髪や背中を擦った…。
「私も同じです。夢さんにもっと早く出会いたかった。今まで、夢さんも辛かったですね。これからは、私が夢さんを癒やしてあげましょう。だから、私のことは夢さんが癒やしてくれませんか…?」
「はい…。」
「私が今までの男なんて忘れさせてあげましょう。」
「はい…。」
「今は…まだ体を休めた方がいいですから、もう休んでくださいね。」
そう言って、夢の体を布団の上へ横にした。diは座ったままで夢を見つめ、髪を撫でて寝かしつけた。
夢が寝たことを確認し、diは矢羽根をとばすとすぐに天井裏から返ってきた。
「………なるほどね…。rktくん、ありがとう。それじゃ、ちょっと出かけようかな…」
「今からですか?」
ひらり、天井裏からrktが姿を表した。
「夜は忍.者.のゴールデンタイムだからね。今からなら月も出ていないし。それに、夢さんをこんなに傷つけたんだ…御挨拶に行かないとだろう…?」
「そう言うと思いました。父上には話を通してあります。ここは私が護衛を代わります。」
「助かるよ。それじゃ、ちょっと行ってくるね。☓☓だったかな?」
「はい。そこにヤツの家があります。」
言い終わる頃にはdiの姿は無かった。
続きます。
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