di先生と幼馴染みの看板娘⑤

#RKRN

#RKRNプラス di

※di先生幼少期大捏造

※解釈違い

※なんでも許せる人むけ

 

 

[di先生と幼馴染みの看板娘⑤]

 

 

待って待って!!お願い!ずっとずっと探していたのです!!

もう、置いていかないで………

 

必死に手を伸ばし、必死に走って追いかける

夢は今、幼い頃によく遊んだ少年を追いかけていた。

 

でもどうしても追いつけない…

 

急に立ち止まって少年は夢に言った

「夢さん、あの時の約束を覚えていますか?……」

 

待って!お願い!!約束を覚えているから………

 

 

 

「〇〇様……」

夢はゆっくりと意識が戻るのを感じた。

目を開くといつの間にかポロポロ涙が溢れていた。

「夢さん!!?」

目の前にはdiが不安そうな、必死そうな……なんとも言えない顔をしていた。

「夢さん!?気がつきましたか?わかりますか?」

「………di様?」

ずっと探していた少年ではなくて、少しがっかりしたが、目の前にいるdiの大きな目を見つめる。心配そうに優しく語りかける声を聞いているとだんだん心が落ち着いていくのを感じた。

「di様、ご心配をおかけしました。私、あの、帰り道で・・・」

話しながらゆっくり起き上がる夢をdiが支える。

「夢さん、無理はしないほうが……。何日も何日も眠っていたから体力が落ちていますよ。」

diの言うとおり、体を起こすとふらついてしまうが、そんな夢の体をdiは抱きとめた。

「大丈夫ですか?」

「di様の言ったとおりですね…フラフラします。……はあ……でも、di様、温かいです。」

そう言って夢はdiの体に体重を預けた。

diは、目の前で自分に寄りかかっているのは幼いころによく遊んでいた夢なのだと改めて考えると不思議な気持ちになった。そして、幼いころに自分がそうだったように、夢もまた自分へ恋心を抱いていたことにも。

それがわかった今すべてを打ち明けようという思いと、恋焦がれているのは昔の自分に対してのみなのではないか?という思いが交錯して、どう切り出したらよいのか迷っていた。

それでも夢を抱きかかえたままの状態でdiはゆっくり話し始めた。

「夢さん、少し前にkrmrと幼い頃の話をしていましたよね。すみません、ちょっと聞こえてしまいました。」

「あれは、本当に幼い頃の話です。お恥ずかしい。」

「いいえ。素敵な思い出ですね。その方、案外近くにいるかもしれません。世間は狭いとよく言いますから。」

「……でも、見つからないのです。」

 

寂しそうな表情の夢を見て、diは居たたまれなくなった。

夢は幼い頃のdiを探している。二人しか知らない約束を耳元で伝えたら意識が戻るくらい本当に美しい思い出として今も夢を支えている………。

 

だからこそ、今まで自分のことを話すことを迷った。

夢が好いているのは昔の自分なのではないか?

昔とは随分違う姿になっていても、それでも夢は今の自分を受け止めてくれるだろうか……

がっかりさせてしまわないか……

しかし、ずっとずっと探している幼馴染が生きている、ということは、伝えなければ、夢は消えてしまう…。

それだけは、嫌だった。

がっかりされても構わないから生きていてほしい…。そうだ、生きていてほしいんだ。

diは覚悟を決め、伝えることにした。

diは夢の目をまっすぐに見て、自分の記憶を頼りに話し出した。

 

「夢さん。この左頬の傷は、小さい頃、転んだ先にあった木の枝に引っ掛けてできてしまったんですよね。」

「はい。私お転婆で、走ることが好きだったからつい。それで転んでしまって…って、あら?di様?私、そこまで細かく話しましたっけ?」

「顔に傷跡が残ったらお嫁に行けないかもと心配していましたよね。」

「…………!!!!え…?そ、そうですが…。な、なぜそれを…?私、それはあの方にしか話していないと思うのですが・・!」

困惑する夢には構わず、diは記憶をたどってどんどん話し出す。もう止められない。

どう思われたっていい……夢に気づいてほしい、という気持ちが強くなった。

 

「あの時、交わした約束を覚えていますか?」

「覚えています。忘れたことなんてありません!!でも、どうして…di様がそれを知っているのですか?・・・!まさか……!お顔をよくお見せください…。」

夢は力なく下げていた両手を、diの両頬に当てて自分の顔に近づけて目を合わせる…

夢の目は今にも溢れそうなほどに再び涙で潤んでいた。

その潤んだ瞳をまっすぐに見つめてdiは言った。

「あの時の約束は………もし、その傷のせいでお嫁に行けないのなら、その時は、夢さんを私のお嫁さんにしてあげる。そう、私は夢さんに約束をしました。」

「う…そ……di様が……〇〇様???ずっと、ずっとお慕いしておりました……お会いしたかったです!!!」

夢は、勢いよくdiの首に両手で抱きついた。

「おぉっと………!」

それが予想外に強くてdiはバランを崩し布団へ倒れ込んだ。

diが夢をがっしりと組み敷く姿勢になる。

夢は、ずっと見つけていた幼馴染に会えた嬉しさと、この状況の恥ずかしさから涙が止まらなかった。

 

「わー!夢さん!ご、ごめんなさい〜〜」

「……うっぅぅ……ん。だ、大丈夫で……」

 

その時、

「夢さん〜。お見舞いに来ました〜〜!」と医務室の戸が開け放たれてkrmrが現れた。

 

が、krmrの眼前には

夢を大胆に組み敷く冷や汗だらだらの大男と

ボロボロ大粒の涙を流して顔を両手で覆って泣いている夢………

 

「き、krmr……ま、待て!これには訳が!」

「どんな訳ですかーーーー!!!!!今すぐどいてくださいdi先生!!!先生には夢さんを助けて言ったのに!!!泣かせてるじゃないですかぁ!!!!何やってんすかーーーー!!!」

 

krmrの怒号が学園中に響き渡った。

 

krmrはdiを引っ剥がして、なんとか起き上がった夢に駆け寄った。

「夢さん!!大丈夫??先生たちから聞いたよ。ひどい目に合ったんだね。あの日の帰り道、夢さんについていけばよかった…。ごめん。ごめん…何日も何日も熱も下がらないし、俺不安で……」

うるうると涙を浮かべるkrmrの頭を夢は、そっとなでた。

「大丈夫ですよ、krちゃん。みなさんが助けてくれましたから。たくさん心配してくれてありがとうございます。」

「うわ〜〜んゆめさ〜〜〜〜ん!!よかった〜〜」と泣いてしまったkrmrを慰めながら夢は続けた。

「krちゃん。もう夜だからみんなと一緒に寝てくださいね。私はもう少しdi様に話したいことがありますから、また二人にさせてくれませんか?」

「だめです。di先生は獣です。俺が一緒にいます。」

「ち、違う!!krmr!!あれは私がバランスを崩してだな……」

「先生は黙っててください!!!」

「krmr〜〜頼むから聞いてくれぇ」

「………じゃあ、私困ったことがあったら、krちゃんをすぐ呼びますね」

「でも、どうやって?に.ん.た.ま.長屋は向こうの方だし……」

「ふふっ!こうやって!」

チャリーンと夢が小銭を落とすと

「わーーーこ〜ぜ〜にぃ〜〜✨」

といつも通り飛びつくkrmr。

 

自分の習性に納得したkrmrは自分の長屋に帰っていった。

 

 

 

続きます。

 

 

 

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