di先生と幼馴染みの看板娘⑦

#RKRN

#RKRNプラス di

※di先生幼少期大捏造

※解釈違い

※なんでも許せる人むけ

 

 

[di先生と幼馴染みの看板娘⑦]

 

夢を襲った連中全員がもう二度と近寄らないように懲らしめて、diは自分の痕跡を全く残さずに学.園.へ戻ってきた。

 

護衛をrktと代わり、夢が寝ている布団の隣に横になる。(もちろん湯浴み済み)

 

夢の寝顔を見ながらそっと髪を撫で、静かに目をつむった。ふと、いつだったかkrmrが教えてくれた、夢も涙ながらに話してくれたことが頭をよぎる。夢目当てにやってくる下世話な客のこと…好きでもない人と無理矢理恋仲になったことがあると。今までどんな思いをしてきたのだろう。自分の心を蔑ろにしていたこともあっただろう。それは、自分のことのようにも感じられ、「そんな思いはもう二度とさせない」と強く思いながらdiは眠りについた。

 

眠っていた夢は微かな声が聞こえて目が覚めた。

声の主はいつの間にか隣で眠っていたdiだった。

しかし、様子がおかしい。悪夢かなにかでうなされているようだった。

なんとかしたい、diを助けたい、そう思った夢は起き上がり、隣へ移動すると、布団ごとdiに抱きついた。

「di様…di様!!!大丈夫です!わ、私はここにいます。私がお守り致します!!!」

必死に伝えていると、はっと目を覚ましたdiは夢を抱きしめ返す。

「ゆ、夢さん?す、すまない。こんな姿を……」

「大丈夫ですか?」ゆっくりとdiから離れて顔を覗き込んだ。

「ええ。昔の夢を見ただけです。時々ありまして…。はぁ・・・夢さんがいてくれて良かった。」

「い、いえ。あの、私は布団へ戻りますから……」

「ここで眠りませんか?」

そう言うとdiは自分の布団を捲り、夢の手をゆっくりと引き寄せた。

「は、はい。では。」

ドキドキとやかましく鳴る心臓を抑え、夢はdiの大きくて長い腕に包まれた。

 

diはすぐに眠ってしまった様だが、夢は眠れなかった。

ずっと追い求めていた初恋の幼馴染に会えたから、ということに加えうなされていたdiの姿が気にかかった。

とても辛そうだった。きっと今まで本当に大変な思いをしてきたのだろう。夢の知らないdiの姿を想像して涙が溢れた。

もしかして、自分と再会したから、昔の辛い記憶を思い出してしまったのだろうか?

あの日の夜襲は酷いものだったと、大人たちが話していたのを薄っすらと思い出し、苦しくなった。

身内をすべて奪われて、その後は忍.者.としてたくさん修行を積んでいたのだろう、たくさん大変な忍務をこなしていたのだろう…。

どんなに幼いころの記憶だったとしてもdiが優しい人間であることを知っている夢は心が締め付けられる思いだった。

これからも、自分といることで過去の記憶が思い出されて、辛くなってしまう?

自分は一緒にいても良いのだろうか……?

 

急に不安になった。

一緒にいてもdiに辛い思いをさせるだけにならないか…?

 

外の方をみると、徐々に景色が白んできていた。

夜明けが近い様だ

 

diを起こさないようにそっと抜けだそうとすると、体に回されたdiの腕に力が込められた。

「di様…すみません起こしてしまいましたか?」

「どこに行くのですか?もうどこにも行かないでほしい…」

そうだ…この人は、幼い頃に全てを失ってしまったんだった…

今、また自分が離れていく事は良くないかもしれない……

 

「はい。di様、私はここにいます。」

そう言ってまたdiの腕の中へ戻った。

 

夢自身もまだ体も治りきっていない為、しばらくここで療養してから、甘味処へ戻ることにした。あの甘味処はここから少し離れている。あの店に戻れば距離は取れる、会う機会を減らすことはできる。そう思うと心がさみしくなった。

 

その時は…どんな風に伝えたらいいのだろうか……?なにより自分は離れることができるのだろうか・・・?

 

 

 

ninoの手当のおかげで夢の体調は徐々に良くなっていった。

庭を散歩しながら掃除をしてみたり…。ずっと仕事をしていたから、元気になってくるとじっとしていられない。

そんな姿を見た学.園.長.は、食堂の手伝いを提案した。

夢は即オッケーしたかったが、それができるということは、もう看板娘として復帰できるということだとも考えていた。

そろそろ帰らなくてはならない時が近づいていた。

「学.園.長.先生、ありがとうございます。ですが体調のこともありますし、一度nino先生に聞いてみます。それからでもいいですか?」

「ああ、構わん。ゆっくり療養して食堂の手伝いについても検討してくれ。」

「はい。ではまたお伝えします。」

 

ここにいると、毎日diやkrmrと会える。他の生徒たちとも仲良くなって楽しい日々を過ごしていた。

名残惜しい…。でも、あの甘味処でも待っていてくれる人がいる。

そうだ、帰らなくては!

diの側にもっといたかった。でも、今も思い出す、悪夢にうなされるdiの姿…。

あまり近くに居すぎてはダメなのかもしれない。せっかく出会えたけれど、恋仲にもなれたけれど。

夢は学.園.長.に食堂の手伝いはせず、帰宅することを告げた。

 

diは急に話が進んでいることに驚いたが、「そうですか…。寂しくなりますね。でも、また夢さんがいる甘味処へ行きます。夢さんと今は恋仲ですが、近いうちに婚約しませんか?」

そう言われて夢は嬉しかった。

でも、また悪夢にうなされてしまうのではないか?嫌な記憶を思い出してしまわないか…という不安は拭いきれなかった。

それでも夢はdiの側にいたい気持ちに嘘をつくことはできなかった。本当はdiのそばにいたい、でも、自分のせいで辛い記憶を思いだしてしまうのならば、離れるしかないのではないか?でも・・・せっかく会えたのに・・・夢の心は大きく揺れ、迷っていた。

それでも婚約しませんかと言われたことが嬉しくて、少し迷いながらも「はい」と返事をした。

 

 

その迷った表情をdiは見逃さなかった。最近の夢の様子がおかしいことにも気が付いていた。

やっぱり、昔の自分の姿が忘れられないのだろうか………?今の自分のことも好きだと言ってはくれたが、ギャップがありすぎるよなぁぁ。

そう思うと寂しい気持ちになるが、もう手放す気はないdiは近いうちに夢に似合いそうな、綺麗な櫛を買いに行こうと企てていた。

 

 

 

続きます。

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